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オピニオンコラムcolumn

2024.03.15

毎日の食卓でできる花粉症対策
~EPAを味方につけて、オリーブオイルでアレルギー反応を軽減~

横山 淳一 先生
オリーヴァ内科クリニック 院長
EPAを味方につけて、オリーブオイルでアレルギー反応を軽減

花粉症への対策はできていますか?体調管理のためには、毎日口にする食材の質を選ぶことが大切です。花粉症などのアレルギーに「これさえ食べれば予防できる!」という便利な食品は、残念ながらありません。しかし毎日の食生活、特に食事づくりに欠かせない「調理油」の種類に気を配ることで、家族の健康管理を行うことができます。

これからの季節、花粉症などのアレルギーから家族を守る食卓に有効な食材、そして調理法は一体何なのでしょうか?食と健康の関係に詳しいオリーヴァ内科クリニック院長 横山 淳一先生に聞きました。

そもそも花粉症とは?
食事で気を付けたいことは?

<花粉症とは、「アレルギー反応」>

花粉症は花粉が抗原となって抗体が産生され、その抗原抗体反応が過剰に起るアレルギーと呼ばれる現象です。このアレルギー反応は腫れや炎症を引き起こし、鼻汁、鼻閉、結膜炎、さらに重症になれば気管支ぜんそくの誘因にもなります。

<毎日の食卓では、食材と調理油の「脂肪酸」に注目!>

ふだんの生活の中で、花粉症のアレルギー症状を軽減できる対策があります。それは、イワシ(鰯)、サバ(鯖)といった「背の青い魚」を上手に、有効に摂ることです。

これらの魚の油には、EPA(エイコサペンタエン酸)に代表されるオメガ3系の多価不飽和脂肪酸を多く含有し、動脈硬化に基づく心筋梗塞、脳梗塞を予防する効果があることはよく知られています。実はその他にも、このオメガ3系の油をリノール酸に代表されるオメガ6系の油に比べてより多く摂取すると多価不飽和脂肪酸のオメガ6に対する摂取比率が高くなりアレルギー反応に伴う症状が軽減します。

具体的には、背の青い魚をオリーブオイルと共に摂取するとそれが可能になります。

脂肪酸の種類

アレルギー症状を引き起こす?和らげる?
脂肪酸の種類により反対の作用を持つ生理活性物質「ロイコトリエン」

ここで大切なのは、オメガ3系の脂肪酸もオメガ6系の脂肪酸も、食物中からどれくらい摂るかによって、細胞膜の組成におけるオメガ3とオメガ6の比率が決まることです。オメガ3系のエイコサペンタエン酸、オメガ6系のアラキドン酸から、それぞれ反対の生理作用を持つ生理活性物質プロスタグランディン(PG)、トロンボキサン(TX)、そしてロイコトリエン(LT)ができます。

オメガ6からできるロイコトリエンのB4はアレルギー反応を引き起こし、オメガ3からできるB5はアレルギー・炎症反応を鎮めるように働きます。従って、アレルギー症状を鎮めたいなら、オメガ3系の脂肪酸をより多く摂取すると良いのです。

オメガ6系、オメガ3系多価不飽和脂肪酸の代謝経路

アレルギー症状を鎮める「オメガ3系優位」の食生活を送るために不可欠な「調理油」はオリーブオイル!

一般に、日本食ではEPAを多く含む背の青い魚(イワシ、サバなど)をよく食べることから、多価不飽和脂肪酸の摂取はオメガ3系優位になっているといわれていますが、現在、わが国で調理油によく使われている植物油はリノール酸を多く含み、オメガ6優位になりがちです。しかもオメガ3系の食用油は加熱に弱く、調理用の油にオメガ3系を使用することはできません。つまりせっかく背の青い魚を調理しても、リノール酸を多く含むゴマ油、サラダ油を使うと、必然的にオメガ3に対してオメガ6の摂取比率が高くなり、アレルギー反応が高まってしまうのです。

その点、オリーブオイルの油脂の脂肪酸はオメガ9系のオレイン酸がその成分の75%を占めているためオメガ3、オメガ6比には影響は少なく、青魚のオメガ3系脂肪酸の働きを活かすことができるのです。

また、オレイン酸は不飽和脂肪酸ではありますが分子構成上、二重結合が一つだけのため、二重結合が二つ以上ある多価不飽和脂肪酸と比べて酸化はされにくく、加熱による物理化学的変化が少なく、酸化現象が起こりにくいのです。加熱によって煙が出る温度(煙点)も、多価不飽和脂肪酸の含有量の多い植物油より高く、オリーブオイルは加熱による変化を受けにくい、安定した調理油だといえます。

花粉症のアレルギー症状を鎮め、美味しさもアップする最高の組み合わせ「青魚&エキストラバージンオリーブオイル」

オリーブオイル、特にエキストラバージンオイルには多種多様の抗酸化物質を豊富に含有しているため鰯、鯖を酸化から守り、腐敗しにくくします。鰯や鯖に多く含まれるEPAは分子構造上、酸化を受けやすい二重結合が何カ所もあるため、酸化されて腐敗しやすいのです。イワシは腐敗しやすいため、漢字で「魚」偏に「弱」が与えられて鰯になったのでしょう。鰯をオイルにつけ込んで空気と遮断して缶詰として保存したオイルサーディンは鰯の弱い点を補う保存法なのです。その漬込むオイルはオリーブオイルが最適なのです。
鰯、鯖を調理にするには、油脂としてエキストラバージンオイルを使えば素材の良さをキープできるため、より美味しく食することが出来、また、この時期、花粉症の症状軽減にもなるのです。

横山先生おすすめ!青魚&エクストラバージンオリーブオイルの花粉症対策レシピ


青魚をコーティングして酸化から守る!「イワシのマリネ」
青魚をコーティングして酸化から守る!「イワシのマリネ」
  • 三枚におろした新鮮なイワシをワインビネガーで作ったマリネ液に浸しておく。
  • エキストラバージンオイル、ニンニク、イタリアンパセリで覆い、一緒に戴く。
お手軽でコスパのよい缶詰でもOK!「オイルサーディンのスパゲッティ」お手軽でコスパのよい缶詰でもOK!「オイルサーディンのスパゲッティ」
お手軽でコスパのよい缶詰でもOK!
「オイルサーディンのスパゲッティ」
  • エキストラバージンオイル、ニンニク、赤トウガラシをフライパンにのせ、ニンニクがキツネ色になるまで弱火で加熱。
  • 茹で上がったスパゲッティをオイルサーディンと一緒のタイミングでフライパンに入れる。
  • 茹で湯を適量入れ、油を乳化させながら更に加熱。火を止め最後にみじん切りしたイタリアンパセリとレモン汁、エキストラバージンオリーブオイルをたっぷりかける。

オリーブオイルを使ってソテーをしたりするときのコツは、低温調理、コールドスタートです。煙が出るまで熱するのは食材のうまみを損い、体にもよくありません。加熱調理に使え、食材のオメガ3脂肪酸の働きを活かせるエキストラバージンオリーブオイルは、毎日の食卓で家族の花粉症対策ができる、最強の調理油といえるでしょう。

横山 淳一

横山 淳一 先生オリーヴァ内科クリニック 院長

医学博士。1973年千葉大学医学部卒。東京慈恵医科大学内科学教授を経て、現職。日本糖尿病学会認定糖尿病専門医・指導医、日本内分泌学会認定内分泌代謝科専門医。著書に「炭水化物を食べながらやせられる!地中海式世界最強の健康ダイエット」など多数。

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