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オリーブオイル健康ラボ

オピニオンコラムcolumn

2019.12.18

冬のモーニングサージ対策は
「オリーブオイル血管最強鍋」と「モジモジ体操」で決まり!
血管を強くして、身体を芯から温める。

池谷 敏郎 先生
医療法人社団 池谷医院 院長 /
東京医科大学客員講師
冬のモーニングサージ対策は「オリーブオイル血管最強鍋」と「モジモジ体操」で決まり!血管を強くして、身体を芯から温める。

冬は血管事故に要注意。モーニングサージを防ぐポイントは3つ
丈夫な血管・身体を冷やさない・良い眠り

寒い季節に発生しやすい血管事故

厚生労働省の「平成28年人口動態調査・急性心筋梗塞による死亡数」によると冬にかけて脳出血、脳梗塞、心筋梗塞などの「血管事故」が増加してくることが分かりました。また、ヒートショックが原因と推測される入浴中に亡くなる人の数は、11年間で約1.7倍増加しており、現在では交通事故死者数よりも多い数字となっています。

急性心筋梗塞による月別死亡数

厚生労働省
「平成28年人口動態調査・急性心筋梗塞による死亡数」から

家庭内の溺死者数と交通事故死者数の推移

出典:厚生労働省 人口動態統計

冬は血管事故の原因となる「モーニングサージ」が増える季節です。モーニングサージは朝の目覚めの頃に急激に血圧が上がる現象で、温かい部屋から出て新聞を取りに行くなど、不意の寒さが刺激になって起こります。家の中でも、トイレや一番風呂には要注意。心筋梗塞や脳卒中といった深刻な血管事故を招きかねません。

モーニングサージを防ぐには、①刺激に負けないように血管を丈夫にすること、②急な温度差をつくらないように身体を内から温めることが大切。また、自律神経の乱れが血管を収縮させるので、自律神経のバランスを整える質の良い睡眠も、モーニングサージ予防に役立ちます。

オリーブオイルを回しかけて仕上げる
「オリーブオイル血管最強鍋」で
おいしく温まりながら、血管を丈夫にする

モーニングサージを予防するために、おいしく食べて、温まりましょう。部屋を暖かくして身体を温めるのとは違って、身体の中から温まるので、深部体温が上がり、良い眠りにもつながります。冬のオススメは「オリーブオイル血管最強鍋」。抗酸化作用のあるポリフェノールを含んだエクストラバージンオリーブオイルに加えて、具材にもひと工夫することで、血管を強くする効果も大いに期待できます。

「オリーブオイル血管最強鍋」は、動物性脂質をエクストラバージンオリーブオイルにおきかえてつくります。脂質なしの水炊きは味気ないものですが、鶏皮や霜降り牛肉を使った鍋は意外に脂肪が多く、スープが冷めると脂質が白く固まっていて驚くこともあるほど。それでも、うま味やコクを出すためにも身体を温めるためにも油脂は欠かせないので、温かくおいしく食べるアイテムとして身体に良いエクストラバージンオリーブオイルを活用するのです。

「エクストラバージンオリーブオイル」は血管事故予防の最強食材。コレステロールなどの脂質バランスを整える働きがあります。スープのベースは、抗酸化力が強いリコピンとリラックス効果で血圧を下げたり、睡眠へと導くGABAを含む「トマト」です。具材には、やはりGABAが豊富な「大豆もやし」、疲労を取り除くイミダペプチドを含む「鶏のむね肉」、コレステロールの吸収を妨げて体外に排出する働きのある食物繊維がいっぱいの「キノコ」。また、彩りを豊かにしてくれる「パプリカ」のβ-カロテンも、オリーブオイルと一緒なら吸収率が高まります。「玉ねぎ」のケルセチンは、血管を若返らせる効果も。さらに、血圧改善や血栓予防の作用があるEPA・DHAが摂れる「サーモン」をプラス。EPA・DHAは熱に弱いので、お刺身用サーモンをしゃぶしゃぶのようにサッとスープにくぐらせるくらいにして食べましょう。チーズフォンデュ風のつけだれで、血管内皮細胞の機能を改善するLTPが含まれる「チーズ(ゴーダチーズなど)」も摂取できます。しめを「大麦」のリゾットにすれば、血中コレステロールを下げる効果がいっそう期待できます。

スープが残ったら、温め直して翌朝の食卓へ。血管を強くする良い成分が溶け込んだスープですから、もったいなくて捨てられません。味を楽しみながらホカホカになって、新たな一日をスタートさせることができます。

「オリーブオイル血管最強鍋」
食材のモーニングサージ予防効果

  • エクストラバージンオリーブオイル:ポリフェノール(抗酸化)、
    オレイン酸:オメガ9系脂肪酸(脂質バランスを整える)
  • トマト:リコピン(抗酸化)、GABA(リラックス・降圧・睡眠)
  • 大豆もやし:GABA(リラックス・降圧・睡眠)
  • 鶏のむね肉:イミダペプチド(疲労回復)
  • キノコ:水溶性食物繊維(コレステロールの吸収を妨げて、体外に排出)
  • パプリカ:β-カロテン(抗酸化)
  • 玉ねぎ:ケルセチン(血管を柔らかくし若返らせる)
  • サーモン:EPA・DHA:オメガ3系脂肪酸(血圧の改善・血栓や動脈硬化を予防)
  • 大麦:水溶性食物繊維(血中コレステロールを下げる)
  • チーズ(ゴーダチーズ、ブルーチーズなどが含まれるもの):ラクトトリペプチド(LTP)(血圧を降下させ血管内皮細胞の機能を改善、ケルセチンの吸収率アップ)

オリーブオイル血管最強鍋

オリーブオイル血管最強鍋

材 料(2人分)

  • 具材
  • 鶏むね肉(皮なし)1枚(ひと口大のそぎ切り)
  • 玉ねぎ中1/2個(くし形切り)
  • エクストラバージンオリーブオイル大さじ1
  • きのこ(まいたけ・ほんしめじ・エリンギ)計300g(手でほぐす)
  • パプリカ(赤・黄)各1/2個(食べやすい大きさに切る)
  • 大豆もやし1パック
  • ブロッコリー1/2個 (小房にわける)
  • サーモンの刺身50g
  • A
  • カットトマト水煮缶1/2缶(200g)
  • にんにくのすりおろし1/2片分
  • 1カップ
  • 食塩小さじ1/2
  • エクストラバージンオリーブオイル大さじ2

作り方

  • フライパンにオリーブオイルを入れ強火で熱し、鶏肉、玉ねぎを並べて焼き色をつける。
  • 鍋にAを入れて強火にかける。煮立ったら炒めた①、具材を加えて、ふたをして中火で4分ほど煮る。仕上げにオリーブオイルを回しかける。

ポイント

刺身は途中加えてさっと火を通していただく。

チーズフォンデュ風つけだれ

材 料(1人分)

  • ピザ用チーズ(ゴーダチーズが入っているもの)40g
  • コーンスターチ小さじ1
  • 少々
  • 牛乳50g
  • エクストラバージンオリーブオイル小さじ1

作り方

  • 耐熱容器にピザ用チーズ、コーンスターチ、塩を入れて全体にからめ、牛乳を加えてラップをし、600Wで30秒加熱する。一度取り出してよく混ぜ合わせ、再度ラップをしてさらに30秒加熱する。よく混ぜ合わせて、オリーブオイルを加える。

しめのリゾット

材 料(1人分)

  • スーパー大麦ごはん茶碗1/2杯分
  • 鍋のスープ150㏄
  • ピザ用チーズ小さじ1
  • 塩・粗びき黒こしょう各少々
しめのリゾット

作り方

  • しめのリゾットは、鍋のスープ(煮詰まっていれば水を適量加えてのばす)にスーパー大麦ごはんを加えて、火にかけてさっと煮る。塩、こしょうで味を調えて、チーズを散らす。

スープが残ったら

温め直して翌朝の食卓へ。血管を強くする良い成分が溶け込んだスープですから、もったいなくて捨てられません。味を楽しみながらホカホカになって、新たな一日をスタートさせることができます。

スープが残ったら

【 カロリー(一人分)】

  • オリーブオイル鍋 442kcal
    (具材・鍋スープ含む)
  • チーズフォンデュ風つけだれ 207kcal
  • しめのリゾット 205kcal
  • 翌朝のホットスープ 94kcal

こんなに減らせる!動物性の脂肪を、
エクストラバージンオリーブオイルに変えるだけ

豚バラの鍋なら、2人前60gの動物性脂肪を取るところ、オリーブオイル血管最強鍋なら、動物性脂肪を減らして良質なオイルに変えることで、脂質が40gになり、豚バラ鍋の2/3の量にすることができます。

こんなに減らせる!動物性の脂肪を、エクストラバージンオリーブオイルに変えるだけ
  • 豚バラと白菜のミルフィーユ鍋を2人前で作ると、バラ肉は150g必要。
  • バラ肉には40.1g/100gの脂質が含まれているので、60.2gの動物性の脂肪を摂取することに。
  • 豚バラ肉を鶏むね肉皮なし、もしくは鶏ささみ肉に変えると、鶏むね肉皮なしは1.9g/100g、鶏ささみなら1.1g/100gなので、お肉を変えるだけで動物性脂質の量をかなり減らせます。

出典:日本食品標準成分表2015年版(七訂)

布団を出る前や寒いところでも、脇と足の付け根をこすって動かす
数十秒の「モジモジ体操」で身体に熱をチャージ!

内側から身体を温めるには、自ら動いて自家発電するという方法もあります。寒いところに出る前に、数十秒で簡単に熱をチャージできる、モーニングサージ予防の体操を開発しました。身体をモジモジ動かす「モジモジ体操」です。

「モジモジ体操」は、曲げた両腕を脇にピッタリつけて、膝を少し曲げて内またに寄せ、小刻みに走るような動作で、身体全体をゆっくりとモジモジ動かすだけ。膝は斜め前に出すように上下に動かします。脇や足の付け根など太い血管が通っているところをこすり合わせるような意識で動かすと、身体全体を温めるよりも素早く体温が上がります。

モーニングサージの危険を招くのは、冬の急激な温度差です。朝、寒くて布団から出たくないときは、出ると危ないとき。布団の中で横になったまま「モジモジ体操」をして、体温を上げてからにすれば、寒さも血管への刺激になりません。寒いトイレへと急いでいる場合は、「モジモジ体操」をしながら移動して、座ってからも「モジモジ体操」を続けて、身体を冷やさないようにすれば良いのです。

モジモジ体操

① ジョギングをするときのように両腕を曲げ、身体の脇にピッタリつける。
② 膝を軽く曲げて、内またにして寄せる。
③ 小刻みに走るような動作でモジモジ動く。(曲げた両腕を前後に小さく振り、両膝をこすり合わせるように斜め前に出す)

ポイント

握りこぶしの小指を立てるようにすると、体勢をつくりやすくなります。

※ オネエ体操とモジモジ体操は同じです。

モーニングサージももう怖くない!?
「オリーブオイル血管最強鍋」と「モジモジ体操」を冬の習慣に。

血管事故のリスクを高める冬のモーニングサージは、健康診断で血圧が正常でも起こる可能性があります。誰もが無関係ではいられないので、楽しみながら予防できるなら、それが一番。おいしく食べて血管を丈夫にする「オリーブオイル血管最強鍋」と、数十秒で体温を上げる「モジモジ体操」を習慣にして、この冬も元気に行きましょう!

池谷 敏郎

池谷 敏郎 先生医療法人社団 池谷医院 院長/
東京医科大学客員講師

総合内科専門医、循環器専門医。1988年、東京医科大学医学部卒業後、同大学病院第二内科に入局。 1997年、池谷医院理事長兼院長に就任。心臓、血管、血液のエキスパート。著書に、「血管がぐんぐん若返る!! 豆乳オリーブオイル」など多数。

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